画家の生きざまに感動:スカイ島 トロタニッシュ アートギャラリー

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スカイ島はスコットランド北西部に位置する島です。

map of trotternish

スカイ島の北東部はトロタニッシュ半島と呼ばれ、
その北端へ向かう道の途中に
トロタニッシュ アーティストスタジオ&ギャラリーがあります。

私たちが最初にこのギャラリーの存在を知ったのは2020年8月に初めてスカイ島を訪れた時のことでした。ポツンと一軒の家が建っていて、看板がなければそこがギャラリーであることに気付かなかったでしょう。

その時には時間がなくて立ち寄ることは出来ませんでしたが、スカイ島に引っ越してきてからも、そのギャラリーにはずっと行きたいと思っていました。持ち主であるBill Lawrenceがどのような絵を描くのかをパンフレットで知ってからは、その気持ちが更に強まり、2021年9月、彼のギャラリーを訪ねました。

ギャラリーの前に車を止め、門の前に立ちます。ハイランド地方特有の家、色とりどりに咲き誇る花々、庭の角にある木から鳥たちが飛び交い、可愛いさえずりが聞こえます。何と人を温かく迎え入れる雰囲気のあるお庭でしょう!

ギャラリーに入ると、Bill Lawrenceが音楽を聴きながら絵の制作をしていました。細いペン先で一本ずつ繊細な線を描いています。その手元に見とれていると、人懐こい笑顔で話し始めました。

「パーキンソン病で、絵を描くのが大変でね」と。

確かに、彼の身体全体の動きはその病気の特徴が現れていました。しかし、彼の手元は病気のことなどみじんも感じられないほど、驚異的に細かい線を正確に描いています。

ドアの所に張り紙がしてあるのに気づきました。ジェロニモというネイティブ・アメリカンの方の引用のようです。

私はこの地に吹き渡る風が大好きだ
私はこの地の風・雨・太陽の全てが大好きだ
太陽は私を温め、風は私を揺らし、木々は私を守ってくれる

GERONIMO

Bill Lawrenceとの会話の中で、彼の人となりを感じていたので、この引用を見た時に、あぁ、これが彼の生活そのものなのだな、とすぐに分かりました。

今まで陶芸、手芸などを通し、多くのアーティストと接する機会がありました。その中で感じたことは、彼らは自然を愛し、自然に寄り添い、そして自然からエネルギーやインスピレーションを得ているということでした。

Bill Lawrenceも、このスカイ島の自然の中で地に足の着いた生活をしている。病気を抱えながらも絵を描き続けるその精神力と強さに、心を打たれると同時に、ともすれば簡単なことでつまらない不満を言ってしまいがちな自分への戒めの気持ちが湧きました。

彼のように、自然の中で、あるがままを受け入れ、地に足の着いた生活をしたいなぁと、改めて思いました。

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彼のギャラリーでは、前もってパンフレットで見た時に一目惚れしていた、赤い屋根とブルーの船の組み合わせの絵を購入しました。

この絵は、私に彼の生き方を思い出させ、自分を振り返る機会を与えてくれる1枚になると思います。

【TROTTERNISH ARTIST STUDIO AND GALLERY】
スカイ島最大の街ポートリーから車で約50分
ポートリーよりA855を北上
住所:Kilmaluag
駐車スペース:ギャラリー前にあり