イギリスには、B&Bという伝統的な宿泊スタイルがあって、とても人気です。そして自炊をするセルフケータリングというスタイルもあり、これもまた人気です。今日はこの2つの宿泊スタイルについて、実際の体験からそれぞれの特徴や長所などを書いてみたいと思います。
B&Bとは
Bed & Breakfast (ベッド&ブレックファスト)の略です。文字通り、泊まる部屋と翌朝の朝食付き。日本の民宿のような感じでしょうか。
オーナー(経営者)が住んでいる家の中に、自分たちが泊まる部屋が用意されています。自分の部屋の他に、ゲスト同士がくつろげるリビングルームのようなスペースがあることも多いです。
中にはお庭をゲストに開放している所もあって、まるでわが家の庭のようにのんびり出来たりもします。
ホテルとの大きな違いは?
B&Bは
・部屋のレイアウトや装飾にオーナーの個性が出る
・オーナーとゲストの距離が近い
部屋や廊下の装飾を見れば、オーナーの好みが分かりますし、到着時や朝食時などにオーナーとオシャベリする機会があったりします。すごく人を近くに感じる宿泊スタイルです。
ホテルが「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」的な感じなら、B&Bは「いらっしゃ~い、よく来たね」的な感じです。
値段に関しては、ホテルに泊まるより安いと言われますが、一概にそうとは言い切れません。安いホテルチェーンより値段の高いB&Bはいくらでもあります。そういうお高めB&Bは、かなり綺麗でクオリティーも高いです。
人によって好みは違うと思いますが、私たちはホテルよりB&Bが好きでよく泊まっていました。
B&Bの悪い点を挙げるとすれば、悪いB&Bに当たったら最悪だろうな、ということでしょうか。ホテルには、ゲストを迎えるにあたって、態度であるとか、清潔さであるとか、そういうものを一定のレベルに保つマニュアルがありますよね。B&Bにはそれがなくて、全てオーナーの采配。ハズレのB&Bは汚れていたり、古かったり、ちょっとキツいことがあるかもしれません。
B&Bは良くも悪くもオーナーの姿勢が直接反映される、ということなんですね。
B&Bの朝食
B&Bのお楽しみといえば、朝食ですよね! 伝統のイングリッシュ・ブレックファスト!(^^)
これがまたオーナーのセンスが出るんです。料理上手なオーナーだともう最高です!
朝食の席につくと、大抵ジュース、ミルク、フルーツ、シリアルは自分で好きなだけ取れるようになっています。
それからオーナーが朝食の注文を聞きにきます。B&Bなら、どこでもイングリッシュ・ブレックファストは頼めます。あ、別にトーストと紅茶だけとかでも全然かまわないんですよ(^^)
地域によって、オーナーによってイングリッシュ・ブレックファストの中身は変わってくるんですけど、大抵
・ソーセージ
・ベーコン
・マッシュルーム
・目玉焼き
・焼きトマト
・ベークドビーンズ(豆)
は定番です。
上の写真は、イングリッシュ・ブレックファストと似ていますが、スコットランド特有のスコティッシュ・ブレックファストです。
大きな違いは、スコットランド名物のハギス、ブラックプディング、焼いたパンが付いていることでしょうか。
・ハギス(羊の内臓詰め)
・ブラックプディング(動物の血詰め)
・焼いたパン(本来はソーセージなどを焼いたフライパンで焼くので、パンにお肉の旨味がついています)
このハギスとブラックプディングは、好き嫌い分かれると思いますが、名物ですので、臓物系が得意な方は是非お試しください(^^)
さて、このメインの他に、トーストも頼めます。そして紅茶やコーヒー。 もう満腹です!朝これを食べたらもうお昼は要らない感じ(笑)
実は私たちは食いしん坊なので、B&Bに1週間滞在した時、毎朝これを続けたんです。さすがに3日目くらいからは胃が重くなってきて(笑)、だんだんトーストとベーコンだけとか、軽めの朝食に移っていきました。
旅行中は夜も外食なので、だんだん胃が疲れてきたり(笑)、あっさりしたものや野菜なども食べたくなります。
そこで、長く滞在するなら自炊式のところはどうだろう?ということでセルフケータリングを試してみました。
セルフケータリングとは
セルフケータリングとは、家やアパートなどをそのままゲストに貸し出すスタイルです。オーナーは別の場所に住んでいるので全く会わないことも多いです。そういう所は、鍵の保管場所が決まっているので、自分たちで鍵を取り出して中に入ります。
生活に必要なものは基本的に全て揃っていますので、自炊が可能です。洗濯機は無いところも多いです。
以前泊まったセルフケータリング。ここのオーナーはスタイリッシュな北欧系のスタイルがお好きなようです。全てが白・グレー・黄色でまとめられていました。
セルフケータリングの特徴
一軒の家なりアパートなりをあたかも自分たちが住んでいるように宿泊できるのがセルフケータリングの特徴です。B&Bと同じく、部屋の装飾や清潔度は、オーナーによって変わります。
自炊をするのに必要な調理道具や食器類、そして冷蔵庫などは基本的に一式揃っています。自分たちは食材を用意するだけです。
値段に関して言えば、B&Bと比べてセルフケータリングは安めですが、これも一概には言えません。安いB&Bより値段が高いセルフケータリングもたくさんあります。
セルフケータリングに向いている人とは?
さて、B&Bではなくセルフケータリングに向いているのは、どんなタイプ人なのか、勝手に(笑)挙げてみました。
・すごく早い時間に朝食を取りたい(B&Bの朝食時間は決められていることが多い)
・料理が苦にならない、もしくは全て外食でもOK
・外食続きだと胃が重くなってくるので、野菜など自分の好きなあっさりしたものを食べたい
・自分たちのペースで自由に行動したい、プライバシーが欲しい
・小さなお子さんがいて、他の人が一緒だと気を使う
などなど・・・
現地で目に留まったデリカテッセンやカフェなどで色々美味しそうなものを仕入れてきて、それを夕飯で食べるのも、セルフケータリングならではの楽しみですね。
逆に、お休みなのに家事なんかしたくないわ、という人には全く向かない宿泊スタイルですね。家族旅行に来て、食事作りを家族の誰も手伝ってくれないママさんが、「私だってお休みを楽しみたいわ!」とボヤいたという話を聞きました。
セルフケータリングでは、冷蔵庫の中に予めお水のボトルやバターが入っていることが多いです。そして、必ずと言っていいほど入っているのが牛乳です。最初は不思議に思ったんですけど、イギリスでは紅茶といえばミルクティーが普通だからなんでしょうかね。
今はAirbnbなどで事前に泊る所の写真やレビューを細かくチェックできるようになりました。どんなアメニティーが揃っているのかも事前に分かるので、非常に便利になりましたね。
自由きままさが気に入って、私たちはセルフケータリングを利用することが多くなりました。そして色々な所に泊る度に、様々な気づきがあったり、これは良いアイデアだ!と思ったものは有り難~く参考にさせて頂いています(^^)