ストーム(嵐)には名前がつく、というお話

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日本では台風を番号で呼びますが、イギリスでは名前で呼びます。

例えば、1月30日に吹き荒れたストームは”Corrie/コリー”という名前です。

一体、いつからストームに名前が付き始めたのでしょうか?

いつから名前が付き始めたの?

イギリスとアイルランドの気象庁が2015年にスタートさせました。

9月1日から翌年8月31日までを1サイクルとし、名前は一般公募されました。

名前を付けることで、人々に関心を持ってもらい、注意喚起を呼び起こすことで、人々や地域の安全確保につなげよう、という目的からでした。

一番最初に名前を付けられた台風の名前は”Abigail “

2015年11月10日に発生し、12日~13日にかけてイギリスを横断していきました。

どうやって命名されるの?

では、どうやって名前は決められ、発表されるのでしょうか?

現在はオランダも加わり、イギリス・アイルランド・オランダの三ヵ国の気象庁がネーミングに関わっています。

広く一般から集められた名前をデータベース化し、人気のある名前、三ヵ国にゆかりのある名前が選ばれ、毎年9月にリストが発表されます。

そして、ネーミングはアメリカ国立ハリケーンセンターのルールに準じた、下記のようなルールに則っています。

  • 名前はアルファベット順
  • Q, U, X, Y, Zから始まる名前は付けない
  • 男女の名前を交互で

これから悪天候の影響を受ける可能性が高くなるぞ、と気象庁が判断すると、リストの順番に基づいた名前とともに発表します。

2021/2022のストームの名前リスト

それでは、今期はどんな名前が付けられているのでしょうか?

今期の台風1号は”Arwen”
女性の名前から始まりました。
2021年11月25日に発表され、26日~27日にかけてイギリスやアイルランドに影響を及ぼしました。

台風2号は”Barra” 男性の名前です。

そして数日前、スコットランドに被害をもたらしたのが、”Corrie” 女性の名前です。

そしてルール通り、Q, U, X, Y, Zから始まる名前はありません。なぜこれらの名前がないのかというと、単純に、これらのアルファベットから始まる名前が少ないから、というのが理由だそうです。


どの位の名前が毎年使われているの?

アルファベットは26文字、使わない文字が5文字あるので、計21個の名前が毎年用意されるわけですが、日本のように台風がガンガンくるわけではないので、名前が足りなくなることはまずなく、使われない名前も結構あります。

2015年から始まったこのネーミングシステム、今までで一番名前が使われた年はいつだったのでしょうか?

答え:2015/2016の期

数:11個。

アルファベットの11番目のK、”Katie”がこの期一番最後のストームでした。なので12番目の”Lawrence”以降は使われませんでした。

イギリスのストームシーズンは冬

日本では、だいたい6月~7月は梅雨、9月は台風シーズン、というようなパターンだと思うのですが、イギリスは冬が天気が悪いんです。

過去のデータによると、11月~2月にかけてストームの発生率が高い。今、まさにそれを実感しています。寒いですし、観光は避けた方が良さそうな時期ですね(笑)

日本でも台風に名前は付いていたんだ!

知っていて忘れてしまったのか、あるいは最初から知らなかったのか、ともかくお恥ずかしながら、日本の台風に番号だけでなく名前が付いていることを知りませんでした(^^;)

例えば2020年台風13号には、” くじら”という名前が付いているのですね。

この名前で台風を呼ぶというのは浸透しているのでしょうか?

「台風13号、くじらが接近中です!」と聞いたら、何となく、くじらがドワーっと日本に近づいてくる感じがして結構インパクトあってすぐに覚えられると思うんですけど(^^)

台風やストームの名前、よ~く見てみると面白いですね。